製薬会社が発刊している書誌で興味深い記事がありました。
犬の高齢化に関するデータが記載されており、動物病院に来院した動物からデータを割り出している為、若干生存している期間にばらつきが生じているようですが、5年ごとに約2才程度の寿命の延長が認められています。
そして10万頭の内、約3%にあたる3,700頭が18歳まで生存しているという事が分かりました。また体重別平均寿命では10kg以下が13.7歳、10~20kgが13.1歳、20kg以上は11.5歳とあります。
高齢化の要因としては感染症予防の普及が一つ挙げられています。犬の年齢別死因データのよると1歳未満で感染症で亡くなる犬が20%ですが、1歳をすぎるとほとんど見られません。3~5、14歳でわずかにいる程度です。
私がこのデータから予測するに3~5歳時の死亡数からは、子犬を飼い始めて1年以内に混合ワクチン接種を行うが、その後の一年ごとの追加接種を忘れてしまい、ワクチン効力が切れ、感染症にかかってしまうというケース。14歳では高齢で免疫力が落ち、感染症に感染してしまうケースを予測しています。
ワクチン接種を含めて予防できる病気は、しっかりと予防をすることが大切です。
ただし「予防の考え方は都市部と地方などで温度差もあるかもしれません。地方の中心部と郊外でもさらに差があるのではないか。地域差とは地理的・環境的な理由だけでなく飼主の意識の違いがある思われる。」「飼主が動物と生活する事に対し意識が高い事で、ワクチン接種・フィラリア症やノミダニ予防、さらに食事管理なども配慮している為に長生きする傾向にあると言えます。」と記事にあります。
また犬の死因順としては、
- 腫瘍疾患
- 循環器疾患
- 泌尿器疾患・消化器疾患
です。ちなみに人間では
- 腫瘍疾患
- 心疾患
- 脳血管系疾患
とあります。犬の脳血管系疾患が死因として上がってこないのは、おそらく脳血管系が原因で亡くなったとしても原因を突き止められずらいからだと思います。
猫の記載がわずかでしたが、「猫では人間と同様、雌の方が長生きである傾向にあるが、犬では性差が認められない」との事です。
ペットの高齢化にともなうペットの介護が必然的に生じます。さらに飼主が高齢で、高齢の動物のケアをする『老々介護』も非常に大変です。心の準備が出来ぬ内にペットが亡くなってしまったり、衰弱が激しく従来の生活から大きく隔たったような状態で亡くした場合に飼主の精神的ダメージが大きく、その後に動物の関わりを持つ事さえも否定的に考えてしまう傾向が老々介護の場合は強いようです。
介護の末にペットが亡くなった後に新たな子犬を飼う事は高齢の飼主だと難しくなります。しかし子犬からでなくとも、「家庭犬として飼育されていた『保護犬』を高齢の方の飼育に適した大きさの犬種を選べば一緒に生活をしていきやすいでしょう。殺処分される子を救えるという事からも良い事だと思います。」とあります。
しかしながら、飼い主の病気が原因で飼育困難になり保健所などに引き取られる動物がいる事も事実です。飼い主自身に何か起こった場合を考える際には飼育動物の事も考慮する必要性を感じます。
札幌市では『飼主さがしノート』
http://www.city.sapporo.jp/inuneko/note/note.html
という活動もしており、飼育困難になる時は、まず飼主自らが里親を探す事が大切だと思います。
まとまりのない文章になってしまいましたが、動物を飼育する時の参考になれば幸いです。