動物愛護管理法の改正について

 飼育動物に対して扱いがずさんなニュースを見聞きする度に悲しく心苦しい気持ちになります。

 可哀想な環境にいる動物を少なくするべく、平成25年9月1日より動物愛護管理法が改正になりました。ニュースで取り上げている事が多いので、ご存知の方も多いとは存じますが、こちらでも周知したいと思います。

 

 まず動物愛護管理法とは、元になる「動物の保護及び管理に関する法律」が昭和48年に制定。それから26年後の平成11年に現在の「動物の愛護及び管理に関する法律」へ名称変更になり、内容も動物取扱業の規制、飼い主責任の徹底、虐待や遺棄に関わる罰則の適用動物の拡大、罰則の強化など大幅に改正されました。

 また平成17年に動物取扱業の規制強化、特定動物の飼育規制の一律化、実験動物への配慮、罰則の強化など改正。

 このように2度法律が改正され、動物の扱い方に行政の手が入るようになった訳ですが、正直手ぬるい感じで受け止めておりました。

 

 今回の改正では、

  1. 終生飼養の徹底
  2. 動物取扱業者による適正な取り扱いの推進

などが明確にされました。

 

 *終生飼養…動物がその命を終えるまで「適切に」飼養する事。

 

 ちゃんとご飯や水を与えなかったり、病気や怪我の状態で放置したり、糞尿で汚れている環境での飼育は「虐待」で犯罪になります。多頭飼育の場合、このような状態が見られる事がある為、多頭飼育に関しても適切に飼育するようにと今回の改正で触れられています。

 

 今まで都道府県の保健所などで飼えなくなった犬猫の引き取りをしていましたが、今回の改正動物愛護法により「終生飼育」に反する引き取りを拒否できるようになったとあります。ブリーダーなどの動物取扱業者からの引取りや老齢や病気で飼育困難といった理由での引取りが拒否されるという事です。

 自分の所有する動物を最期まで責任を持つという当たり前と言っていい事が法律によって義務化されました。

 また飼育動物を誰が所有しているかを明確にする為にマイクロチップ・名札の装着や犬では鑑札を付けるようにも明記されていますね。

 

 取扱業者に対しては、

 哺乳類・鳥類・爬虫類の対面販売と現物確認が義務化されました。ネット販売が禁止された訳でなく、ネット販売のトラブル防止の為の義務化とも受け取れます。

生後56日(8週)齢に満たない子犬・子猫の販売を禁止。ただし平成28年8月末まで45~49日齢は可という軽減措置があります。

 一体、誰の為にこの軽減措置とこの長い期間があるのでしょうか?疑問に感じます。

 また売れ残ってしまった動物の終生飼養(出来る場所?人?)を確保する事が義務化されました。

 

 

 主にこのような内容になりますが、法律だからなのか表現があいまいな感がありますね。しかしながら今回の動物愛護管理法の改正により、少しでも可哀想な思いをする動物が減り、そして動物達の待遇が良くなる事を期待したいですね。

 そして命ある動物を飼育するという、人間ならではの責任と覚悟を持つ事、「知らなかった」ではなく、飼育の知識や情報を得る努力をし、動物と向き合って幸せに暮らして頂きたいと思います。